Case07 アトピー性皮膚炎のスキンケア
28歳女性
アトピー性皮膚炎で皮膚科加療の方のスキンケアを紹介します。
長期間、全身にステロイド外用薬とヘパリン類似物質クリームまたはローションを使用していらっしゃいましたが、アトピー症状はなかなか改善しませんでした。
角質層スキンケア前の肌の状態:顔全体から首、肩にかけて発赤、腫脹がみられます
角質層保護スキンケア(コルネオセラピー)実施2週後:額、両頬、顎にみられた炎症が軽快しました
スキンケア開始時、皮膚に炎症があるためクレンジングは実施せず、洗顔とローション、ジェルでスタート。3種ケアを1週間実施した後にクレンジングを追加(クレンジング→洗顔→ローション→ジェル)。コルネオセラピーにより徐々に肌は落ち着き、その後もよい状態を維持しています。
コルネオセラピスト京田悦子のコメント
クレンジングは、スキンケアに重要なステップです。しかし、クレンジング化粧品の量が不足したり手技が違ってしまうと、摩擦が大きくなってしまいます。それが炎症を助長する可能性があるため、炎症がある場合はクレンジングは行わず、洗顔フォームで洗い流して保湿するというやり方が良いでしょう。
国際コルネオセラピー協会会員薬剤師 藤木清志のコメント
外用薬には基剤が含まれており、その基剤は空気中にある微小粒子(PM2.5 のような小さな粒子物質)を吸着します。外用薬を使っていない場合であっても、皮脂が吸着剤の役割を果たし、結果的に微小粒子を抱え込んでしまいます。そのような状態で外出すると、紫外線により活性化した微粒子が皮膚を刺激することになります。
スキンケアというと、保湿に意識が集中しがちですが、保湿の前に毛穴に溜まった基剤や皮脂、微小粒子をきれいに洗浄する(クレンジングする)ことが大切です。
また、この方はヘパリン類似系物質を利用されていますが、ヘパリン類似物質は血行促進作用があるので炎症が強いときの使用はお勧めできません。
角質層保護の観点からこのような方の場合は、油分の膜で覆う保湿ではなく、角質層に水分を補給するスキンケアが推奨されます。
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